F・スコット・フィッツジェラルドの名作『グレート・ギャツビー』のクリフノートで目にした「substitute」の意味とは?

先週、今年気になる映画としてポール・トーマス・アンダーソン(Paul Thomas Anderson)の米10月公開作品『ザ・マスターThe Master)』(日本は来年3月22日公開)を紹介しましたが、もう一つ『華麗なるギャツビーThe Great Gatsby)』(2013)もかなり気になっています。

CliffsNotes on Fitzgerald's The Great Gatsby

監督は『ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge!)』のバズ・ラーマン(Baz Luhrmann)。音楽も俳優陣も良い感じですが、なんといってもこの映像美に私はわくわくしています。

公開はクリスマス(Christmas)だそうなので(日本は2013年春公開)(※追記:8/6付けで公開日が2013年夏に延期されました!)、ふとこの機会にF・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald)著の原作を読んでみることにしました。
The Great Gatsby
ところが、です。さっそく Kindle でダウンロードして「まだあと半年弱あるから余裕余裕〜」と思っていたのも束の間、1ページ目から同じ行を読み返す病発症。難しくて全然読み進められないのです!
ジェガーさんに訴えたところ、こんな本を買ってきてくれました。

「薄っ!何これ?」と言うと、「クリフノート(CliffsNotes)やで。」

読みこなすのが難しい小説などの各章の要約や時代背景、登場人物の関係性などについて説明する補足本なんだそう。そんなんあるんや〜

さっそく「イントロダクション(INTRODUCTION)」を読み始めてみると、

These notes are in no way intended to serve as a substitute for the actual reading of The Great Gatsby.

と書かれていました。

ポイント

“substitute” は「代用」という意味です。日常生活では、レシピなどでも結構目にします。

substitute | Macmillan Dictionary

  1. something that is used instead of something else
  2. someone who does someone else’s job temporarily

(2. の人に対して使われる例は、スポーツ記事などでよく目にします!例:Mexico defeats Gabon 2-0 in Olympic soccer | Yahoo! Sports(2012年7月)※一文目のところ)

「これは原作の代わりに読むものではありません」ということが書かれていたのですね。

補足

このイントロダクションでは、『グレート・ギャツビー(The Great Gatsby)』がいかに優れた作品かを示す点がいくつか挙げられていました。

  1. 無駄な描写がない
  2. One feature that distinguishes the classics of our literature is the conscious artistry that fuses a work into a unified whole; every detail contributes to the unity of the final product, and nothing superfluous is permitted to remain. The Great Gatsby possesses this unity to a high degree, and this is a major reason for its survival as an important American novel rather than as a mere historical document depicting life in the twenties.

    物の色や出来事が起こる場所、天気など、現実世界では一見重要ではなさそうな描写にも全て意味があるそうです。

  3. 型がしっかりしている
  4. Important as content is, however, it is form that shapes the novel’s unity, until ultimately the form and the content become inseparably united in an artistic whole. Of all Fitzgerald’s novels, The Great Gatsby shows the greatest consciousness of form in its construction, and this is the main reason it is considered the best of his works today.

    主人公はギャツビーではあるけれども、ギャツビー本人ではなくニック・キャラウェイ(Nick Carraway)という別の人物の視点で語られていることが、物語をよりドラマティックにしているそうです。さらに、彼自身が物語に関わっていくことで、ナレーターの役割が主題内容においても重要な意味を持っているそうです。

  5. 象徴的な表現や描写が多い
  6. Despite its brilliant description of Jazz Age America and its equally skillful characterization, The Great Gatsby is primarily a novel of ideas. There is a heavy reliance on symbolism throughout the book, since by its very nature a symbol functions on several levels at once, fitting into the action at the same time as it represents an idea.

    桟橋の緑の灯りや T.J. エクルバーグ博士(Dr. T.J. Eckleburg)の瞳といった物理的なものから、ギャツビーのトム・ブキャナン(Tom Buchannan)に対する独特の笑いかた、さらにはギャツビーの経歴そのものまで、道徳観念や人間性、アメリカ社会などを象徴するさまざまな意味合いが含まれているそうです。さらに、スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald)自身の生き方や価値観も少なからず投影されているそうで、フィッツジェラルドの興味深い略歴も紹介されていました。

ここまで読んでみて、まだ2ページしか読んでいない私には、桟橋の緑の灯りとか T.J. エクルバーグ博士の瞳とか全くなんのこっちゃかわかりませんが、俄然興味は沸いてきたので、このクリフノートを片手に頑張って読破してみたいと思います!公開までに間に合うかな〜

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