ネット上で流行を生み出す「インターネット・ミーム」の意味とは?

先週紹介した、NASA の “モヒカン・ガイ” ことボバック・ファードーシさん。オバマさんが「同じ髪型にしてみたい」と話した(via CNN.co.jp)ことでさらに話題を集めましたが、彼がここまで有名になったのも、インターネットのおかげと言えるでしょう。



伝播力のすごさを改めて思い知らされた次第です。

ボバック・ファードーシさんほど話題になってはいませんが、オリンピックの体操(gymnastics)で銀メダルを獲得したマッケイラ・マロニー(@McKaylaMaroney)さんも最近インターネットで伝播された一人。絶対金メダルが獲れるという強い自信を持っていたのに跳馬(vault)で尻もちをついてしまい、銀メダルを首からぶら下げてもらった時に思わず不服の表情をした結果、その写真がネットで拡散されていきました。

こういうのを「インターネット・ミーム(internet meme)」と言うそうです。

ポイント

記事を読んでいても目にする機会が結構あるので、今日は「ミーム」について説明した記事をご紹介します。

  1. ミームとは
  2. A meme (rhymes with “team”) behaves like a flu or a cold virus, traveling from person to person quickly, but transmitting an idea instead of a lifeform.
    Historically, a meme is a discrete “package of culture” that would travel via word of mouth, usually as a mesmerizing story, a fable/parable, a joke, or an expression of speech. Today, memes travel much faster than simple speech. As internet email forwards, instant messages, and web page links, memes now travel instantly via the Internet.

    ウイルスのように人から人へ素早く伝播されていくネタのこと。これまでも口コミやたとえ話、ジョークなどを介して広まっていましたが、インターネットの発達によって伝播力が飛躍的にアップしているんですね〜

  3. ミームの特徴
  4. Most modern internet memes are humor-centered.
    Humor usually reaches the most people, and is the most attractive to forward to others.

    現代のインターネット・ミームは、主にユーモア志向だそう。ユーモアは人に伝えたいという気持ちを喚起しやすい、というのはわかる気がします。他には、ショッキングなネタや社会派ネタなどがあり、流行語へと発展していくミームもあるそう(元記事にそれぞれの例あり)。ユーモア志向の影響からか、元ネタがどんどん面白ネタにアレンジされていく現象もよく見ます(マッケイラ・マロニーさんのネタも然り)。

  5. ミームの担い手
  6. The majority of internet memes are transmitted by adolescents and post-adolescents.
    But today, the average age of meme-transmitters has increased, as users over 30 years old discover the chuckles and humor about forwarding memes to their friends.

    主に思春期〜思春期後の若い人たちがメインみたいですが、今は30歳以降の人たちにもどんどん広がっているみたいです。そういえば、マッケイラ・マロニーさんの不服顔を最初に広めた人も28歳でした。

  7. ミームの起源
  8. The “meme” word was first introduced by evolutionary biologist, Richard Dawkins, in 1976. “Meme” comes from the Greek word “mimema” (meaning “something imitated”, American Heritage Dictionary)

    “meme” という言葉を最初に紹介したのは生物学者のリチャード・ドーキンス氏。今から約30年前の1976年のことでした。ギリシャ語の “minema(模倣されたもの)”という言葉に由来しているそうです。

補足

とはいえ、面白くても爆発的に伝播されないネタだってあります。YouTube のトレンド・マネジャー、ケヴィン・アロッカ(Kevin Allocca)さんによると、人から人へ伝播されやすいビデオというのは、

  1. tastemakers(流行仕掛け人)
  2. communities of participation(コミュニティによる参加)
  3. unexpectedness(予想外であること)

の3つが大きな役割を持っているそうです。

このプレゼンテーションで例に挙げられているダブル・レインボー(double rainbows)と猫が走ってるビデオ(Nyan Cat)は私のところにも回ってきました。

ボバック・ファードーシさんにしても、マッケイラ・マロニーさんにしても、一番予想外なのはネタにされた本人ちゃうかと思いますが、マッケイラ・マロニーさんは Twitter で自ら不服顔をマネた写真をアップし、うまくネタにしてはります。16歳ですが、さすがです。


その後ホワイト・ハウスに招かれ、オバマ大統領ともコラボレーションを実現。本当、さすがです。
Barack Obama with artistic gymnastic McKayla Maroney

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ボバック・ファードーシさんについてはこちらで詳しく書きました→ 火星探査機キュリオシティより人気!?NASA の “モヒカン・ガイ” にラブコール殺到